働かない?フィリピン人の仕事観
日本人はよく勤勉で真面目な人種と言われていますが、フィリピン人はというと、真逆といっても良いくらい違います。
仕事に対する姿勢は、日本人から見れば不真面目で怠惰としか思えません。
初めてフィリピン人と一緒に仕事をすると、全然働かないのでびっくりしてしまうと思います。
しかし、それは彼らの文化の一部であって、簡単には直りません。
結論からいうと、いちいち腹を立てているよりも慣れてしまった方がラクです。
■仕事よりも自分の人生が大事!
まず、仕事に対する考え方が、日本人とフィリピン人ではまったく違います。
日本人は、仕事=人生のように考えている人も多く、1日の大半を仕事に費やし、それで堅実に生活していくのが正しいとされています。
しかしながら、フィリピンでは仕事よりも自分の人生の方がよっぽど大事です。
個人的な事情で約束の時間に遅れてくるのは当たり前ですし、納期も守らなくていいと思っています。
日本ならまず間違いなくクレームになりそうな対応を、当たり前のようにしているのです。
彼らの頭の中では、仕事中も遊ぶことを考えています。
コンビニの店員は歌ったり踊ったり、他の従業員と楽しくおしゃべりしながら過ごしているし、言われたこと以外は絶対にやりません。
日本人のように、”空気を読んで”何かを先にやっておく、なんてことはまず100%期待できないのです。
それどころか、ちょっと暇を見つけてはスマホを取り出し、Facebookに興じるといった始末です(笑)
■マルチタスクはできない
日本で会社に勤めると、1度にいくつものタスクを抱えることもあると思います。
それらを同時並行でやる能力を持つ人もたくさんいますよね。
しかし、フィリピン人はなぜだか1つのことしかやらない、というスタイルが浸透しています。
驚くのはスーパーで、レジ打ちの人と袋詰めする人が分かれていたりします。
単純な1つの作業だけをひたすらやるのです。
しかも、速いわけでもない(笑)
あくまでマイペースに、たまにミスをしながら、おそらく頭の中では仕事が終わったら何を食べようかなどと考えながら、1つの作業を行います。
もちろん、お客さんが並んでいない時には、すぐに同僚とおしゃべり開始です。
どこへ行っても、”何もしていない従業員”が多すぎてびっくりします。
一人で出来そうな作業に3人も4人もスタッフがいる上、ただ見ているだけの人がいたりするのです。
ここまで来ると、見ていて面白いくらいです(笑)
■言い訳も下手
フィリピン人には、バレバレの嘘で言い訳をするという文化もあります。
遅刻した時も、「渋滞がひどかった」「家族が具合悪くなった」このどちらかを言えばOKだと思っていて、まず謝りません。
仕事もプライベートも同じで、遅れてきても自分が悪かったとは絶対に言いません。
■プライドは高い
仕事はまともにしませんが、プライドだけは高いのがフィリピン人の扱いにくいところ。
遅刻やミスなど何か注意したいことがあっても、絶対に人前で怒ってはいけない、というのがフィリピンで働く上で最も大事です。
みんなの前で恥をかかされる、というのは、フィリピン人にとってこれ以上ない屈辱であり、日本人が思っている以上に傷つくことなのです。
ですので、もし注意したいことがあれば個人的に別室へ呼んで冷静に話をする必要があります。
感情的なフィリピン人には、プライドを傷つけられると逆恨みして何をしでかすか分からないタイプもいます。
■キリスト教の影響
フィリピン人が働かないのは、キリスト教の影響もあると言う人もいます。
教義を都合よく捉え、「イエス様に祈っていれば助けてくれる!」と信じて何もしない人もいるようです。
また、「明日のことは案じてはならない」という教えもあることからか、将来のために一生懸命働いてお金を貯めようという概念もないようです。
■フィリピン人の仕事観から学べること
フィリピン人の仕事観については、日本人から見るとネガティブなことが多い印象ですね。
しかし、フィリピン社会はこれで成り立っているわけですし、私たちも何か彼らから学ぶことがあるはずです。
仕事ばかりの人生で、自分を追い詰めて過労死したり自殺するような人がいる日本社会も考えものです。
彼らの楽観的でのんびりとした、緩い姿勢を少し取り入れてみても良いのかもしれません。
また、フィリピン人が働かないのは、給料が安すぎることも関係していると思います。
いくら物価が安い国とはいえ、日本人の8分の1の給料しかもらっていない彼らに、バリバリ休まず働けと言う方が無理かもしれません。
そして、フィリピン人・日本人という括りをしていますが、もちろん日本人のように勤勉で真面目なフィリピン人だっていますし、逆に働かない日本人もいます。
偏見を持たず、冷静に一人一人とコミュニケーションをとって、バランスよく付き合っていきたいですね。