ウエスタンユニオンがCoins.phと提携、海外送金がより便利に
フィリピンでは仮想通貨の普及が進んでいます。
主に使われているのはビットコインで、海外出稼ぎ労働者(OFW=Oversea Filipino Wokers)がフィリピンに安く速く送金できることが最大のメリットです。
これまでは、稼いだ現金を送るために送金会社を使い、多額の手数料と時間がかかっていました。
しかし仮想通貨を利用することにより、時間もお金も大幅に節約することができるようになったのです。
そんな中、国際送金サービス大手である「ウエスタンユニオン」がフィリピンの仮想通貨ウォレット企業Coins.phと国際・国内送金に関するサービスで提携することを発表し、話題となっています。
■ウエスタンユニオンとは?
アメリカの金融・通信事業会社。
世界200カ国で個人送金、企業支払、貿易業務を代行するサービスを提供しています。
銀行を利用するよりも送金手数料が安く、窓口に行かなくてもネット上で手続きできるのが便利です。
また、送金後10分〜15分ほどで相手がお金を受け取ることも可能です。
■Coins.phとは?
フィリピンのマニラにオフィスを構えるビットコイン販売・取引所。
フィリピンの法定通貨であるフィリピンペソで仮想通貨を購入できる、数少ない取引所となっています。
ビットコインを売買できるほか、フィリピンペソを銀行へ送金するサービスも提供。
銀行口座がなくてもスマホでアカウントを作成するだけで、現金でアカウントにチャージすることができます。
チャージしたお金で仮想通貨を買ったり、公共料金やローン、携帯代などを支払うこともできます。
銀行口座を持てない人口が多いフィリピンにおいては、幅広い層をターゲットにした非常に画期的なサービスと言えます。
フィリピン中央銀行からも仮想通貨と電子マネー発行者のライセンスを受けて運営しています。
この2つの企業が提携することにより、フィリピン国内のCoin.phウォレットユーザー約500万人が、ウエスタンユニオンのネットワークを利用して国際送金が直接行えるようになるとのこと。
サービスを利用するにはオンラインで顧客確認の手続きを行い、それが無事完了すれば自分のウォレットを使ってウエスタンユニオンの送金を受け取れるようになります。
1ヶ月の送金限度額は10万ペソ(約20万円)。
フィリピンの経済は今、OFWからの送金がGDPの10%を占めていると言われています。
世界銀行が発行した「移住と送金の概要30」によれば、2018年にフィリピンが海外から受け取った金額は340億ドル(約3.79兆円)にも上り、世界で最も国際送金が多い国の1つになっているそうです。
送金システムがますます便利になることで、さらに大きな経済効果が期待できますね。