フィリピンでの食中毒予防と対策
海外滞在で最も気をつけるべきことは、なんといっても健康管理です。
せっかく英語留学しに来ていても、観光旅行に来ていても、体調を崩してしまっては全然楽しめないからです。
しかし、環境も違うし慣れないことばかりで体の抵抗力も下がってしまい、病気になる人は非常に多いです。
特にフィリピンのような発展途上国では、日本よりも衛生環境が悪いため、免疫のない人はいろんな菌やウイルスをもらいやすいです。
フィリピンで気をつけたい病気の例として、風邪、デング熱、狂犬病、食中毒などがあります。
今回はその中でも、比較的簡単に起こしやすい「食中毒」について、予防方法と対策をご紹介します。
<フィリピンで食中毒の原因になるもの>
食中毒になる原因はいろいろですが、ここではフィリピンで特に気をつけたい感染経路をご紹介します。
■生魚
もちろんしっかり衛生管理されたレストランもありますので、必ずしも危険とは限りませんが、やはり刺身や寿司などの生魚はフィリピンでは極力口にしない方が良いです。
高級レストランであっても、どんなに豪華に切り並べられてあっても、その魚がどこから来てどのように処理されているのかは見えません。
そのレストランに届けられるまでの間に汚染されている可能性もあります。
食べるのは自己責任ですが、一定のリスクがあることは覚悟しておきましょう。
あるいは、魚介類が食べたいと思ったら、加熱されたものを選ぶことです。
経験者はご存知かと思いますが、万が一牡蠣などの貝類であたると本当に地獄のような体験をすることになります。
■水、氷
フィリピンでは生水(水道水)は飲めません。
これはよく聞く話なのでみんな知っていると思います。
しかし、意外と見落としがちなのが氷です。
氷は、水道水で出来たものを使っているお店もけっこうあるんです。
フィリピンでもレストランに入るとサービスで水が出てくることがありますが、安いローカルな食堂などでは、水道水を使っていることも。
また、オーダーしたジュースなででも、氷が入ったものを間違って飲んじゃうと、それは水を飲んだのと同じこと。
気をつけてください。
■生野菜
フィリピンでは食事の栄養バランスが崩れがちになるので、たまにサラダなど生野菜が出てくると嬉しいものです。
たとえば韓国料理屋さんなどでは「サンチュ」が食べ放題だったりします。
しかしこれも、ミネラルウォーターで洗ったかどうかを必ず聞きましょう!
水道水で洗った生野菜は、汚染されています。
地元のフィリピン人や胃腸の特別強い人なら大丈夫かもしれませんが、普通の日本人はほんの少しでも体内に入るとお腹を壊します。
■屋台フード
東南アジアの風物詩とも言える屋台フード。
興味本位で食べてみたくなる気持ちはわかります。
しかし、屋台は食べ物が外に出しっぱなしで売られています。
ハエもたかっているし、気温が高いため傷んでいることも考えられます。
店主がどんな衛生管理をしているか分かりません。
冒険したい人は別として、あんまり食べない方が良いです。
■生フルーツジュース
フィリピンはフルーツが豊富で本当に美味しいですが、生ジュースをその場で作ってくれるお店には気をつけてください。
確かに味は格別。
だけど、そのフルーツを切った包丁が滅菌されているとは考えにくく、なおかつそのお店の方がしっかり手を洗っているかどうかなどがあやしいです。
また、果物を切った状態で売っているものも危ないです。
新鮮な生フルーツジュースが飲みたい場合は、自分でフルーツ(カットされてないもの)を買ってきて、ミキサーにかけるなどした方が良いでしょう。
■瓶、缶の飲み物
フィリピンでは瓶ビールをそのまま口をつけて飲むのは普通のことで、コーラなども缶のまま提供されます。
その際、瓶や缶の口が汚れてホコリが溜まっていたりすることがあるんです。
おそらく保管状態が良くないのでしょう。
ホコリやゴミも一緒に飲むことになり、これでお腹を壊す人もいます。
瓶や缶の飲み物を飲む際は、必ず口の部分をアルコールか何かで消毒して拭いてから飲みましょう。
<食中毒を予防するための対策>
■リスクのある食べ物を食べない
上記で紹介したような危ない食べ物は出来るだけ避けることです。
また、それだけではなく何かを口にする際には必ずそれが安全かどうかを一呼吸置いて確認しましょう。
加熱されたものでも、食器が汚い場合もあります。
また、食べたり飲んだりして何か違和感を感じた場合も、すぐに食べるのをやめましょう。
菌やウイルスが口から入らないように、常にセンサーを張っておくことです。
■手洗い、消毒を怠らない
当たり前ですが、手洗いとアルコール消毒はとっても大事。
フィリピンでは手が洗えても石鹸がない場合も多く、持ち運びできるアルコールジェルやスプレーは必須アイテムです。
ウェットティッシュのアルコールタイプでも良いでしょう。
除菌グッズは持ち歩いて、食事の前に必ず使用してください。
■整腸剤を利用する
海外では慣れない食べ物を口にすることも多いので、たとえ汚染されていなくても胃腸の調子が悪くなることもあります。
それを防止し腸内環境を整えるために、ビオフェルミンなどのような整腸剤を利用しましょう。
お腹の抵抗力も高まりますし、便秘や下痢の予防にもなります。
■無理をしない
何と言っても海外生活では体に負担をかけない、無理をしないことが何よりも大事です。
しっかり睡眠をとること、栄養のある食事を心がけること、それから運動をちゃんとすることです。
いつも十分なバランスが保たれていれば、抵抗力も下がりませんので、多少菌やウイルスが入ってきたとしても負けません。
フィリピンはナイトライフも楽しいのでつい飲みすぎや遊びすぎになってしまいがちです。
休養を取ることを忘れないでください。
<もし食中毒になってしまったら>
万が一、下痢や嘔吐が止まらない・・食中毒かも・・と思ったらすぐに病院に行ってください。
マニラやセブには日本人スタッフが対応してくれるところもあります。
(事前に宿泊先に一番近い病院を調べておきましょう!)
検査で食中毒と診断されれば、抗生物質などの薬を出してくれます。
また、発熱が伴っている場合はデング熱が疑われるため、その検査も行います。
もしも病院に行かず自分だけで対処する場合、最も重要になるのが水分補給です。
食中毒では脱水症状になりやすく、それが原因で重症化するパターンが多いからです。
ただの水ではなくポカリスエットのような糖分と塩分が両方入ったものが理想。
フィリピンでは「ゲータレード」がよく売られているので飲んでください。
<保険に入っておこう!>
食中毒だけではなく、慣れないフィリピンの環境ではいろんな病気や怪我のリスクがあります。
海外旅行保険には必ず入ってください。
クレジットカードに付帯しているものでも大丈夫ですが、長期間になる場合は保険会社にお願いした方が安心です。
保険に入っていれば、ほとんどの場合、現地の病院では現金が必要ありません。