フィリピンの税金、不動産の固定資産税はどのくらい?
外国の税金については実はよく知らない方が多いかもしれません。
日本は税金が高いというイメージがありますが、フィリピンはどうなのでしょうか?
物価が安いから税金も安いのでしょうか?
フィリピン不動産を購入したり投資に興味がある方には、税制度は大変気になるところだと思いますし、実際知っておくべきであると思います。
そこで今回は、フィリピンの税制度と不動産購入時に必要な税金についてご紹介します。
<所得税>
個人と法人に分かれています。
所得に応じて支払う税金です。
フィリピン国籍の個人は5%〜32%の累進税率(課税標準が増えるほどより高い税率を課する課税方式)で、外国籍の非居住者は一律25%となっています。
<付加価値税>
付加価値税とは、フィリピン国内における付加価値を課税対象とする税金のこと。
日本でいうところの消費税にあたります。
フィリピンでは12%と設定されており、食料品でも同じ税率です。
物価が安いため日本人にしてみればたいした金額には感じないかもしれませんが、フィリピン人にとってはかなり大きい税率と言えるでしょう。
ちなみにフィリピンでは物品でもレストランの食事代でも表示価格に消費税が含まれています。
レシートに印字されている「VAT」が付加価値税です。
また、コンドミニアム管理会社によりテナントから徴収される管理費、会費なども付加価値税の対象となっています。
<百分率税>
付加価値税の代わりに、業種ごとに定められている売上税の一種。
銀行、金融中外業者、保険会社、通信会社、娯楽業者、水道、ガスなどに課せられます。
たとえば海外通信は10%、水道やガスは2%などと決まっています。
百分率税がかかるものには、基本的に付加価値税はかかりません。
<物品税>
付加価値税のほかに、フィリピン国内での特定の輸入品または国産品に課せられます。
いわゆる贅沢品と呼ばれるものが対象です。
具体的には、お酒、たばこ、自動車、宝石、香水、ヨット、スポーツ用船舶、鉱物、甘味飲料などに適用されています。
税額はほとんどが定額ですが、タバコは6%、お酒は8%が付加価値税の他に課せられます。
<印紙税>
商業取引を裏付ける契約書、証書(貸付契約書、社債、債務証書、株券、利益証明書、財産権利書、銀行小切手、手形、預金証書、為替手形、信用状、保健証書、年金証書、損害賠償契約書、倉庫証券、船荷証券、代理権行使書、委任状、不動産賃貸契約書、抵当権証書、不不動産売却証書、用船契約書など)に課せられます。
個人が日常生活で支払うことはないですが、フィリピンで不動産を購入しようと考えている場合は関わってきますので、その都度確認して納税する必要があります。
<付加給付税>
管理職の従業員が会社から受け取る現物給与に対して課税される源泉税の1つです。
課税対象となるのは、社宅や個人利用の車、ドライバーやメイドさんに支払う料金、海外渡航費などです。
こういった個人消費を会社経費として計上し、個人所得税を逃れようとするケースが増えたために1998年に作られた税制度です。
税制改革方により、2018年1月1日以降に適用される税率は32%から35%に引き上げられます。
<地方税>
州、市、自治体、バランガイなどの地方政府は、地方免許料および事業税を撤収しています。
また、土地、建物などの不動産税が、不動産の評価額に対して課せられます。
<不当留保金課税>
フィリピン国内の非上場の企業を対象として、事業に必要とみなされる額を超えて不当に留保される課税所得に対し、10%が罰則として課せられます。
株主の企業からの配当金受領の確保や、税金逃れを防止するのが目的です。
対象となるのは、「閉鎖的企業」(発行済の資本株式の50%以上または全議決付株式の50%以上を20人以下の個人が直接または間接的に所有している内国企業のこと)のみです。
また、銀行、保険会社なども不当留保課税は免除されています。
<固定資産税>
フィリピンでは地方税の一種として、土地、建物、機械・設備を所有する場合に固定資産税がかかります。
税率は自治体によって異なり、2〜2.5%です。
原則として3ヶ月ごとの支払いと決まっており、3月末、6月末、9月末、12月末に納付しますが、納入時期によって10%〜30%の割引が受けられることがあります。
遅延するとペナルティが課されます。
なお、中古物件を購入する際にかかる税金は、登録費用0.5%、譲渡税0.75%、印紙税1.5%、登記費用1%です。
このように、フィリピンでもさまざまな種類の税金が存在していて、決して安くないものもあります。
しかし、これらを支払ってでも、物価の安いフィリピンでは不動産投資をする価値が十分あると思います。
何より、現地でのマンション管理運営や転売などによって得られる利回りは、日本国内での不動産投資と比べれば雲泥の差です。
税金に関しては今後も改定されていくと思いますが、高い将来性を秘めるフィリピンに投資するチャンスは、物価が上がり切る前のまさに今がピークだと思います。