マニラだけじゃない!ルソン島の魅力とは?
フィリピンと言えば、首都マニラを最初に思い浮かべるのではないでしょうか?
マニラはフィリピンの経済中心地であり、急速に発展が進んでいることから世界から注目されています。
国を大きく動かすパワーのある人口ボーナスや、世界で通用する語学力は、現在のフィリピンを支える柱となっています。
しかしながら、フィリピンの魅力はマニラだけではありません。
首都マニラを持つフィリピンの中心地ルソン島は、どんなところかご存知でしょうか?
今回は、マニラだけでなくルソン島全体にはどんな魅力が隠れているのか?歴史や観光スポッを含めてご紹介していきます。
<ルソン島の地理>
ルソン島はフィリピン諸島の中で最も面積の大きな島で、およそ10万4,688平方キロメートルあります。
最長部で南北740km、東西225kmあり、マニラ湾、リンガエン湾などの多くの湾があるほか、火山地帯としても知られています。
プラグ山のほか、マヨン山は美しい形で有名な火山です。
<ルソン島の気候>
フィリピンの気候には日本のように四季はなく、雨季と乾季に分かれています。
ルソン島も同様で、だいたい5月〜10月が雨季、12月〜3月が乾季と言われていますが、南部は雨が多く雨季・乾季の境界線も曖昧です。
4月〜6月は大変暑くなります。
雨季には1日のうち短時間、まとまったシャワーのような雨が降りますが、日本の梅雨時期のように毎日シトシト降り続けることはありません。
ちなみに中心地であるルソン島と、セブやエルニドでは雨季と乾季の時期がずれています。
また、ルソン島の中でも地域によって気温がかなり異なります。
年間平均気温はマニラで27.6℃、北部の山脈にある都市バギオは19℃、南部のレガスピは27.2℃となっており、全体として温暖な気候です。
しかし意外にも、暑い!と感じる場所ばかりではありません。
高地に位置し年中冷涼な気候であるバギオは、避暑地として知られており、朝晩は冷え込みます。
「フィリピンは暑い国」というイメージを持っている方は驚いてしまうでしょう。
実は日本の東京の夏よりも快適に過ごせるため、フィリピンの気候が気に入って移住する人も多いんです。
ルソン島を訪れるのにベストなシーズンは、やはり雨が少なくイベントも多い乾季。
ただ、8月〜12月頃は毎年マニラ首都圏にいくつも台風がやってきて、大きな被害が出ることもしばしばあります。
遊びに行くエリアに合わせて、ベストシーズンを選ぶと良いでしょう。
<ルソン島の歴史>
フィリピンがスペインに統治されていた時代があることはよく知られています。
16世紀の終わりのことでした。
ルソン島はメキシコの支配下となり、メキシコと中国を中継する貿易の拠点となっていました。
しかし、フィリピン人たちはスペイン支配に反発し、やがて戦争になります。
ここにフィリピンを手助けする名目でアメリカが参戦し、スペインは破られますが、次はアメリカに支配されてしまうことに。
さらに、今度は日本がフィリピンをアメリカ支配から救う名目で援軍を出し、アメリカが退散。
日本もルソン島を占領しました。
しかしその期間は長くは続かず、日本が第二次世界大戦に負けた翌年の1946年、フィリピンは独立します。
その後もしばらくはアメリカ政府が影響を持ち続け、1960年代まではアジアで第2位の経済規模にまで成長しました。
しかしその後フィリピンの経済は停滞し、他のアジア諸国が発展していく中、「アジアの病人」と呼ばれるまでに衰退してしまいました。
フィリピンの経済成長が著しくなったのは、ここ数年の話なのです。
<ルソン島の観光地>
フィリピンの観光地って、セブじゃないの?と思っているなら、まだまだですよ!
実はルソン島には世界遺産が3つもあるんです。
■ビガン歴史都市
ルソン島北部にある街で、フィリピンをかつて統治していたスペインやアメリカ、そして昔から影響を受けていた中国の雰囲気が残存している都市です。
現在のフィリピンではあまり見ることのできないスペインの異国情緒ただよう街並みは、歩いてみるだけでワクワクします。
■コルディリェーラの棚田群
総延長20,000kmを超える棚田で、ルソン島北部の中央山岳地帯にあります。
1995年にユネスコの世界遺産に登録されました。
かつてこの場所に住んでいたイフガオ族などが紀元前1,000年〜100年頃に造成し始めたと言われており、その美しく整った棚田の景観は圧巻です。
避暑地であるバギオはこの近くにあります。
■サン・アングスチン教会
1587年〜1606年に建築されたフィリピン最古の教会。
フィリピンに4つ存在する「フィリピンのバロック様式教会群」の1つで、マニラの旧市街にあります。
スペイン統治時代に造られた歴史的建造物で、第二次世界大戦の中でも破壊されずに建設時のまま残されたのは、ここだけと言われています。
荘厳な雰囲気と迫力ある外観は一見の価値あり。
現在は結婚式場としても使われています。
<ルソン島へのアクセス>
ルソン島には首都マニラがあります。
マニラのニノイ・アキノ国際空港には日本から直行便が出ています。
成田、羽田、関空、福岡各地から就航しており、フライト時間も4〜5時間なので、気軽に出かけられます。
<ルソン島の治安>
ルソン島にはさまざまなタイプの都市がありますが、首都マニラの治安はそれほどよくありません。
タクシーのぼったくりやスリ、強盗までさまざまな犯罪が起こっています。
世界でも治安がトップレベルの日本とは全く違うので、自己防衛に努めてください。
しかしながら、バギオなど非常に安全な街もあります。
バギオは政府が治安維持に力を入れており、ぼったくりもほとんどなく、スマホを紛失しても見つかるという平和な地域となっています。
<ルソン島の言語>
ルソン島の言語は主にタガログ語です。
しかし、フィリピンには非常に多種の民族が住んでおり、その言語分布もかなり複雑で多様です。
タガログ語の他には、イロカノ語、パンガシナン語、パンパンガ語、ビコラノ語などが話されています。
また、フィリピンは英語教育が発達しているため、マニラを含む都市部のほとんどで英語が通じますが、貧富の差が激しいため、教育をしっかり受けられていない人々は地元の言語しか話しません。
<ルソン島の物価>
フィリピン全体の物価は日本よりも安く、島によって異なるわけではありません。
ただし、マニラよりも郊外都市の方が少し安いイメージです。
また、フィリピンは物によってものすごく安いものもあれば、日本とさして変わらないものもあります。
そして、近年はフィリピンの経済発展によりインフレが進んでおり、物価は上がってきています。
そのため、思うほど物価がめちゃくちゃ安いわけではないと思っていたほうが良いかもしれません。
高級ホテルに泊まってショッピングモールでブランド物を買えば、フィリピンだろうと日本だろうと同じようなものです。
ただし、一般的に観光地への入場料などは100〜200円程度と安いところが多いと感じるでしょう。
<ルソン島は歴史を巡る旅ができる島>
いかがですか?
セブのようなリゾートとはまた違ったフィリピンを感じることのできるルソン島。
人々が長い時間をかけて作り上げてきた歴史を、自然や建造物から見ることができます。
ぜひベストシーズンを狙って遊びに行ってみてください!
きっと今までのフィリピンのイメージが変わり、新しいフィリピンの魅力を発見することでしょう。