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フィリピンの貧困層を支えるファイブ・シックスとは?


日本ではあまり知られていないフィリピンのお金事情について今回はご紹介します。

「ファイブ・シックス」という、インド人がやっている高利貸しをご存知でしょうか?

フィリピンでは広く利用されており、特に貧困層の人々はファイブ・シックスに頼って生活しています。

 

ファイブ・シックスと呼ばれている理由は、「5で割って6倍にして返す」というルールがあるからです。

例)1,000ペソ借りた場合:

1,000 ÷ 5 = 220

200 × 6 = 1,200

返済額は1,200ペソになります。

 

普通、高利貸しというのは返済までの日数が長くなるほど利子が高くなるものですが、ファイブ・シックスは返済が1ヶ月後だろうと翌日だろうと同じ20%の利子というわけです。

契約内容は、個々で違ってきます。

なぜこのような高金利で、フィリピンの貧困層は借金をするのでしょうか?

その理由は、返済方法にあります。

 

ファイブ・シックスでは、毎日少しずつ返済するようになっているのです。

しかも、わざわざインド人たちは毎日借主のところまで出向き、集金しているのです。

お金が貯められないフィリピン人は、1ヶ月後にまとめて20%上乗せした金額を払うのは無理でも、毎日少しずつなら払えるからです。

たとえば1,200ペソを返すためには、1ヶ月かけて1日40ペソ返す、といった感じです。

毎日少しずつなら返せるのに、たとえトータルは同じ金額でもまとめて払えないのが、フィリピン人。

たとえまとまったお金が手に入っても、それを借金返済に充てようとは考えません。

また、契約期間を過ぎても返済できない場合にどんどん借金が増えるのは、日本の闇金などと同じです。

ファイブ・シックスを運営しているインド人は、そういったフィリピン人の国民性を理解しているからこそ、このような高金利の高利貸しができるようになっています。

 

はたから見れば、こんな高金利でお金を借りるなんて馬鹿馬鹿しいと思うでしょう。

毎日ちょっとずつ返していても、支払っている最終的な金額はかなり上乗せされたものになります。

 

また、借りる際の審査が緩いことも、広く利用されている理由の1つです。

普通、お金を借りる際には、年収がいくらなのか、どんな仕事なのか、などの審査があるものですよね。

ファイブ・シックスでの審査は甘く、条件は、仕事をしているかどうかだけ。

たとえ収入が少なくても、お金を貸してくれるというのは、貧困層にとって大変ありがたいことなのです。

しかも、保証人も担保も必要ないし、紙の契約書もありません。

口約束だけで成立してしまいます。

ただ、仕事をしていない主婦などには絶対に貸してくれません。

 

また、ファイブ・シックスではお金のみならず、先に商品を買って渡す、というサービスもしています。

たとえばテレビが欲しいと言えば、テレビを買ってきてくれるのです。

そして実際にかかった代金に上乗せして請求し、毎日少しずつ集金します。

場合によっては、実際にかかった額の2倍〜3倍を返済させます。

最初からテレビ代を貯めておけばいいのに?と思うかもしれませんが、それが出来ないので、ファイブ・シックスがなければ一生テレビは手に入りません。

だったら毎日ちょっとずつ、トータルで言えば数倍になる金額を払ってでも、手に入れたほうがいい、と考えるのですね。

というか、そもそもどれだけ損をしているのか計算もしないのが彼らのスタイルのようです。

 

表面上だけを見れば、確かに貧困層を助けているように感じられるファイブ・シックス。

しかし、このシステムを継続する限り、搾取は続き、貧困の根源は消えることはないでしょう。

お金がないために、さらにお金を払わされるという、負のループとも言えます。

 

ドゥテルテ大統領も、ファイブ・シックスに関しては問題視しており、高金利の高利貸しを追放する方針をあらわにしています。

去年1月には、ファイブ・シックスを排除するため、正規の届出を出していない貸金業者に対し逮捕命令を出しました。

ほとんどのファイブ・シックスは届出を出していませんので、撲滅されていきます。

 

もちろん、違法な高利貸しを撲滅させることは、長い目で見れば貧困問題の解決に繋がっていくでしょう。

しかし、現段階で突然ファイブ・シックスがいなくなれば、貧困層が生活できなくなってしまうことも事実です。

 

問題は複雑ですが、全体のバランスを上手くとりながら、1つずつ丁寧に対処していくことが、今後のフィリピン政府に求められていることかもしれません。