フィリピン人日本語学習者から見た日本人
他のアジア諸国と比べると決して多くはありませんが、フィリピンにも日本語学習者が大勢います。
そして、彼らが持つ日本に対するイメージもさまざまです。
日本は、フィリピンを占領していた歴史も持っています。
そのため、人や年代によっては反日感情を抱いている人もいます。
とはいえ、一般的にはフィリピン人の日本人に対する印象は概ねポジティブなようです。
2017年の親日度ランキングでは、タイ、ベトナム、フィリピンが同率で1位になっています。
世界20ヶ国を対象に、旅行に行きたいか?訪問したいか?日本に興味・関心があるか?などを調査したものです。
実際にフィリピンを訪れてみると、日本人に対してはみんなフレンドリーで好意的な態度を示してくれることがわかります。
■真面目で優しい
フィリピン人に日本人のイメージを聞くと、真面目で、シャイで、優しいという声がよく聞かれます。
道を聞かれても親切に教えてくれて、現地まで連れてってもらえる、といった経験をしている人も多い模様。
また、何かを達成するために一生懸命であるという印象も持たれているようです。
ちょっとネガティブな言い方をすれば、「ワーカホリック」(仕事中毒)というイメージもあるそうです。
■集団の輪を大切にする
日本人には、集団の輪を大切にし、対立を避ける平和な精神が根付いているとも言われます。
規律を守り、人のために動くことが基本になっており、人間性が高いという評価も得ているようです。
しかし一方で、規律や自己犠牲に縛られすぎている、自分にも他人にも厳しい、といった見方もあります。
日本は自殺率が世界的に高いことで有名ですが、そういった、ちょっと真面目すぎる精神もまた、日本人のイメージとして持たれているようです。
■日本のサブカルチャーがすごい!
世界中で日本語を学んでいる人々の多くは、日本のアニメや漫画などのサブカルチャーに興味を持っています。
日本のアニメ、漫画、ドラマなどは、彼らの日本語学習の大きなモチベーションとなっているようです。
実際、アニメ好きな外国人の方が、日本語習得も早いです。
特にドラゴンボールやワンピースなどは、もはや世界的に有名になっています。
■電化製品や科学の技術がすごい
フィリピンでは多くの中国製、韓国製の電化製品が売られていますが、やはり一番人気で信頼を得ているのは日本製だそうです。
カメラや携帯をはじめ、フィリピンの家庭には多くの日本製品があります。
日本の優れた科学技術を学びたいと考えているフィリピン人も多いようです。
上記のほか、単純に「日本人はお金持ち」というイメージは、フィリピン全体に浸透しています。
ポジティブでもネガティブでもなく、ただ「お金持ち」と思っているフィリピン人が一般的かもしれません。
しかし、それでも傲慢にならずに優しく接するところが、また好かれているポイントのようです。
フィリピンと日本の暗い歴史については、ある程度は学校で習っていたり、もしくはおじいちゃん・おばあちゃんから聞いている人もいます。
しかし、今現在フィリピンで暮らしている若者世代が、日本人に対して敵対心を持っていることは、ほぼありません。
だからこそ、日本や日本語に関心を持っているのでしょう。
フィリピンでは今後ますます日本語の需要は高まっていくと思われます。
私たちが英語を学ぶことは大前提ですが、お互いの言語や文化をもっと理解し合い、良好な関係をこれからも築いていけたら良いですね!